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1.

作品の数
  能の作品はふつう曲目と言い、現在240曲ほど伝えられ上演可能とされています。時代とともに消えたものもあり、今上演されているのはおおむね南北朝から室町末期にかけての200年ほどの間に作られたものです。曲は演者自身の手で作られているのが特徴です。
2. 作品の色分け
  (1)神(神能-カミノウ)  神を主人としたもの。
(2)男(修羅物-シュラモノ)  源平の武将を主人公としたもの。
(3)女(鬘物-カツラモノ)  シテが女で古典物語のヒロインを扱う。
(4)狂(雑能物-ザツノウモノ)  他の分野に当てはまらないもののすべて。
(5)鬼(切能物-キリノウモノ)  鬼・天狗・妖怪など人間以外を主人公としたもの。
3. 用語
  ・素謡(スウタイ)  番謡とも言い、囃子を、用いず無伴奏で謡うもの。
 一曲全部を謡うのが普通で、シテ、ワキ、その他の役を割り当てて数人で謡う。
・連吟(レンギン)  一曲のある部分を二人以上で謡う。
・独吟(ドクギン)  一曲のある部分を一人で謡う。
・仕舞(シマイ)  能の一部を囃子、装束を用いず舞うもの。
・舞囃子(マイバヤシ)  能の一部を装束を用いず囃子の伴奏で舞うもの。
・「シテ」  一曲の主役。
・「ワキ」  一曲の副主人公。シテと対話、又は対立して争ったりする役。
・「ツレ」  シテツレの略称で、シテの助演者。
・「ワキツレ」  ワキの同伴者。
  地・地謡(ヂウタイ)曲の情景や心理及びシテの物語、感慨を代弁して謡うもので人数の制限はない。
4. 能舞台
  能楽堂と言う様式が生まれたのは明治以来の事です。其れまでは能舞台は野外又は屋外に独立して建てられていました。背景の老松も能が屋外で上演されていたからでもありましょう。左手に長い橋掛りは、異次元とこの世を繋ぐ架け橋です。
五色の幕の向こうが「鏡の間」で、シテはここで鏡に向かって精神を凝らし、最後に能面を掛けて出の瞬間を待ちます。
舞台は6メートル四方を4本の柱で区切られています。之を周りから取り囲むように観客席が設けられています。
能舞台 梅若学院能楽堂の舞台
5. 能面
  能面は能の全ての表現と発想の核であり能の命です。能面こそが真実の顔であり、能では素顔を直面(ヒタメン)と呼びます。つまり自分の顔を能面として使えと言うことです。
能面・小面
能面・般若
6. 装束
  能舞台が簡素だけに能装束は絢爛と際立ちます。今西陣で作るとどんなに安くても数百万、刺繍ではなく模様全部が織り出されているのです。
装束の種類は一般の舞台衣裳に比べると極めて少なく、色の組み合わせ、織りの変化、単衣と袷などで千変万化の美を描きます。
 糸巻・枝垂桜模様の唐織
7. 囃子
  横たえて気迫そのもので吹く笛、下から打ち上げる凛然とした小鼓、水平に打つ大鼓の衝撃音(革を炭火で何時間も焙じる)、上から打ち下ろす太鼓の強さと華やかさ、そして演奏者の発する掛け声がオーケストラとなっています。
 笛
 小鼓
 大鼓  太鼓
8.
  武士の刀に喩えられるのが能の扇です。精神集中のためのより所です。能の役が持つ末広型に拡がりを持つ扇(中啓)と、後見や地謡や囃子方が持つ折り畳まれて直線型方になる扇といずれも能の人々の魂です。
 鬼扇
9. 曲のあらすじ
  謡曲への理解を深めて頂くよう主な曲目を一曲ずつ解説します。

■紅葉狩(もみじがり)
 
作者 観世小次郎信光
曲柄 五番目 鬼物
時季 9月
稽古順 5級
場所 信濃国上水内郡戸隠山
登場人物 前シテ 女
  後シテ 鬼神
前ツレ 同行の女達
ワキ 平維茂
ワキツレ 従者(太刀持ち)
ワキツレ 勢子
オモアイ 女の侍女
アドアイ 竹内の神
題材 典拠は不明だが、大日本史平維茂伝や太平記にも見られる伝説で、信濃国今戸隠の西南荒倉山の麓に紅葉の岩屋と呼んでいるところがあって、鬼の栖と伝えられている。
概要 時は秋、山中の紅葉見物に繰り出した女たちの酒宴の席に、鹿狩りのために同じく山に入った平維茂の一行が遭遇する。上臈の紅葉狩りと聞いて道を避けようとした維茂は、其れに気付いた女主人に誘われるまま、酒席に着く。女は絶世の美女で、つい気を許して杯を手にした維茂はしたたかに酔い、女の舞を見るうちに深い眠りに落ちる。其れを見届けた女たちはいずくともなく姿を消す。(中入り)一方、八幡大菩薩の眷属竹内の神は、戸隠山中への道を急ぎつつ、維茂を篭絡し女が実は戸隠山の鬼神であり、維茂に危険が迫っているので、八幡の神勅により維茂に夢告を与え、あわせて神剣を下賜する旨を述べ、維茂の枕上に立って神勅の趣を伝える。霊夢により目を覚ました維茂の目の前に、鬼神が姿を現し、火を吐いて襲い掛かるが、維茂は果敢に立ち向かい神剣を突き通し、更に逃れようとするところを引き据えてとどめを刺し、たちまち鬼神を退治してしまう。